年長児のMRワクチンは4月から
2019.03.26
年長さんのMRワクチンの2期は4月から行うことができます。
毎年、お誕生日になってからや再勧奨があったのでと9月に打たれる方もいらっしゃいます。

今年度は成人の風疹ワクチン接種が臨時で始まります。風疹なので、風疹ワクチンを使って接種をすればいいのですが、世の中にはそれほど大量の風疹ワクチンは流通していません。
そんなわけで、麻しんの撲滅も含め子どもと同じMRワクチンで行うことが決まりました。

成人のワクチン接種は準備ができ次第始まります。今のところ7月以降に始まるのではと思っています。
行政の予想では、予定接種人数は年長さんの接種数と同じとのこと。

ということは、必然的に夏以降は品薄になるということになります。

できるだけ、4月以降早めに接種することをお勧めします。

五月の連休の後には東南アジアを旅行して麻しんにかかって帰国する旅行者も予想されますので、なおさら4月中に接種されることがベストの選択と思います。

5月の連休中に東南アジアを旅行される方で、麻しんのワクチンが2回接種されていない方は、旅行前に接種して旅行に出かけることもお勧めします。

麻しんは死に至る病です。ワクチンによってのみ予防することができますので、躊躇なくワクチンを打ってください。
2019.03.26 18:14 | 固定リンク | 診療日誌
子宮頸がんワクチンの理解を正しく
2018.12.31
平成30年も今日で終わりです。
この1年をかけて、取り組んだ一つはおたふくワクチンの啓発です。
多くの保護者の方に理解をいただき、おたふくワクチンの接種人数は徐々にではありますが、増える傾向にあります。

もう一つは子宮頸がんワクチンの再度の接種勧奨です。
この問題はマスコミの取り上げ方が衝撃だったのか、なかなか感情を変えることをできないでいる方が多いと思います。今年ノーベル医学賞を受賞した本庶先生は、そのスピーチのたびに日本での子宮頸がんワクチンの低迷を嘆き再考するように訴えてきましたが、それを報道するマスコミは皆無でした。
日本では、京都新聞が伝えましたが、北海道新聞をはじめ主要大手新聞社は和服がどうだとか、メダルの重さはどうかなど、スピーチとは関係のない話をわざと報道しているようです。

日本人でこの問題に立ち向かいSNS等で情報発信をしているのは、医師でジャーナリストでもある村中璃子さんです。村中さんは昨年ジョン・マドックス賞を受賞されました。

この賞は世界的に有名な「ネイチャー」という医学雑誌の元編集長が中心となって作った賞で、公共の利益のために、敵意や障害に立ち向かって健全な科学とエビデンスを広めた方に送られます。

村中さんが受賞された時のスピーチが以下のリンクにあります。

是非お読みになり、あなたの大切なお嬢さんが子供を産み育てる一助として行動を起こしてください。

https://note.mu/rikomuranaka/n/n64eb122ac396
2018.12.31 08:53 | 固定リンク | 診療日誌
無事15年が終わりました。
2018.11.01
11月1日は当院の開院記念日です。
平成15年に開業ですから、丸15年が終了し、今日から16年目に入ります。
この15年で北斗市の出生数は500名から300名となり、受診数は右肩下がりですが、ワクチンの数は大変多くなり、子どもに関しては予防医学が定着した感じです。

でもいまだに、感染性のある病気はかかったほうが免疫が長く続くという誤解が多くの人(特に年配の人)に多く残っています。そのため、若いお母さんやお父さんでも、痛くて泣くワクチンはしないでもいいのではと思われる方もいらっしゃいます。

今、東京方面では風疹の流行が顕著です。流行の一翼を担っているのは、ワクチンをしていない世代と、ワクチンを勧奨されたにもかかわらず、ワクチンをしなかった人たちです。その中で、妊娠中のお母さんは自分が風疹にならないか、子どもに先天性風疹症候群(白内障、難聴、心臓病が出ます)が出ないかを心配しなければなりません。

5年前にも同様な風疹の流行があり、40名近くの先天性風疹症候群が報告されています。

北海道においては風疹の流行は報告されていませんが、始まればあっという間に広がることが予想されます。

今からでも遅くはありません。自費にはなりますが、必要なワクチンを受けていない方は早急にワクチンをしましょう。
それは、自分だけでなく、まだ見ぬわが子を救う糧になります。
2018.11.01 10:30 | 固定リンク | 診療日誌
読まれているもの
2018.10.17
HPを運営していると、皆さんどんなページに興味があるのかなとか、どんな検索でかみいそこどもクリニックのHPにたどり着いているのか気になることがあります。その中でも院長コラム、皆さんどれを興味を持っているのか調べてみました。
各月のダウンロード数1位を見ると
1月
ワクチンを受けましょう 2005年10月21日
2月 3月
目の検査 2006年5月2日
4月 5月 8月 9月
MRワクチンを受けましょう 2009年3月6日
6月
病児保育 2006年4月14日
7月
大人の不注意が子供の死の危険をもたらす 2008年10月2日
10月
早寝早起き朝ごはん 2006年10月3日

こんな感じです。

ワクチン受けてくださいね。世の中にはまだまだかかった方がいいという一般の人ならず、小児科医でもそういう変な輩がおりますので、惑わされないようにしてください。ワクチンが危ないという人の言うことを信じて自分のお子さんが感染症の重大な合併症に襲われても、それは誰も保証してはくれません。
何度も何度もおたふくかぜと難聴の話は知っていると思いますが、みずぼうそうで脳炎になったり、死亡したりという事例があるのはご存知ですか?
麻疹はつい20年前までは、小児病棟を埋める重大な感染症でした。お母さんの風疹感染で、こどもに難聴や白内障、心臓奇形などの症状が出る先天性風疹症候群をご存知ですか?
ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンが登場する前にはどんなに多くの赤ちゃんが細菌性髄膜炎で命を落としたのか皆さんはご存知ですか?

母子手帳の普及により、周産期の母子感染が減り、周産期死亡率が減少しました。でもいまだにお産はお母さんにとっては命がけの事業です。ですから、母児ともに健康ですって必ず無意識にそういうでしょ。でもね、1歳以降の不慮の事故死が多いのがこの日本の特徴なんです。それだけ、こどもをしっかり見ているようで実際は見てはいないんです。さすがにたばこの誤嚥は最近は減りましたが、1週間には必ず一人は「こんなもの食べたかも」と言って受診される方がいます。

3歳健診の目の検査は、遠視と弱視を見つける検査です。これを見逃すと、後で眼鏡をかけても視力が正常に発達しないのです。遠視は遠くは見えて近くが見えないと思っている方がいるかもしれませんが、実際は遠視の方は眼鏡をかけていないと遠くも近くもはっきりと見えていません。このことを理解してもらうのにとても時間がかかります。
2018.10.17 23:48 | 固定リンク | 診療日誌
今年も一年が終わります
2017.12.29
皆さんはこの一年はどんな一年でしたか?

私のところは長女が結婚して出産しと目まぐるしい一年でした。
孫ってとってもかわいいですね。
昔からそういわれていますが、本当にそうだと思える一年でもありました。
スマホの中には孫の写真でいっぱいです。
会う人にかわいいでしょって見せる自分の姿が恥ずかしいくらいです。

今年生まれた子供は100万人を切ったそうです。
昨年から続けてだそうで、そのうち小児科はいらなくなってしまうかもしれませんね。

予防接種の普及で、子どもの感染症はほんとに少なくなりました。
麻疹や風疹は、ここ10年見たことがありません。
それでも今年も各地で麻疹の散発的な流行がありました。
どういう人が麻疹の感染者になったかを調べるとその多くは麻疹のワクチンを
しっかりと受けていない20代から30代の人が大半だということが分かります。

世の中にはワクチンなんてしなくて大丈夫。有害事象のほうが心配だという人がいます。

でも、多くのこどもたちが麻疹などのワクチンをして、流行を阻止しているので、
ワクチンをしていない人が助かっているという現実を無視していることに
その人たちは気づいていません。

麻疹に罹り、呼吸器につながったりなどの重症のお子さんを見て
私たちは小児科医としての経験を積みました。

そんなことを見ていないとんでもない医師がワクチンなんてなんていっても
どこに説得力があるのでしょう。
でも、一部の保護者の方はその話を信じてしまいます。

周りにそんな人はいない。自分の経験でもそんな人はいない。
そうなんです。ワクチンの普及は重症な人を見えなくしてしまいます。
麻疹のワクチンが定期化されたのは昭和53年。
風疹のワクチンが男女ともに打つようになったのは平成6年なんです。
水痘のワクチンの定期化は平成26年からです。

たった3年で水痘はほとんど日本からいなくなりました。
ということは、この子たちは老人になっても帯状疱疹で苦しむことはないということです。
なんてすばらしい成果なのでしょう。
このことを否定する人に私は石をも投げてあげたい。

子宮頸がん予防を旗印にした、パピローマウイルスに対するワクチンも、
悲哀の中にいます。
先進国の中で、安全よりも安心のほうが重要とワクチンをストップしている国は日本以外にありません。
その間に何万という子宮が子供を授かれない状態へと導かれていきました。
有害事象といわれたことは、ワクチンを接種していない人にも同様に起きることが
統計学的にも立証されたのに、いまだに再開にはなっていません。
ブログで紹介した、村中璃子さんの受賞は日本の新聞ではほとんど紹介されていません。
こんなことでほんとにいいのでしょうか。

私のところのクリニックに集ってくれる多くの保護者の方が、
正しい判断のもと、子どもに幸せを与えてくれるワクチンを
積極的に接種してくれることを望んでやみません。

2017.12.29 22:55 | 固定リンク | 診療日誌

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